安田不動産株式会社が手がける、東京都港区にあるマンションとオフィスが共存する「The glow Mita」。オール顔認証マンション及びオフィスとして、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD(フリード)」の導入に至った経緯や効果、今後の展望を開発事業本部の渡邊さんにお話しいただきました。
継承×創造が安田不動産のDNA

安田不動産株式会社開発事業本部開発第二部第一課課長代理・渡邊雅哉さん。
安田不動産株式会社(以下、安田不動産)は、創業以来の伝統と永きに亘り培ってきた数々の英知・センス・技術力の継承、そして新たな技術と価値の創造により、地域に根差した歴史・文化を次代へ繋ぎながら、「環境と共生し、住み続け、働き続けられるまち」を実現していくことを大切にしています。
長期的なまちづくりの視点を大事にしており、短期的に売却して収益をだすのではなく、長期的に建物を保有して、周辺を含めた開発をしていきます。特に安田不動産らしいまちづくりとして、日本橋浜町があげられます。大規模な建物開発だけでなく、小規模な物件を取得し、ランニングステーション兼サウナ施設、立ち飲みビストロや蕎麦屋、カフェといったまちの賑わいに寄与する多種多様なテナントを誘致することで、まち全体の雰囲気が良くなり、まちの回遊性が高まるための取り組みを続けています。
私が所属する開発第二部第一課は、主としてオフィスビルを開発していますが、それ以外にも幅広くホテル、物流倉庫まで様々な用途の物件を開発する部署になります。
元々貸地であった土地を事業用地に設定し物件開発を行うこともあり、今回の物件「The glow Mita」もその一つです。
安田不動産株式会社
1864年に安田善次郎翁が安田屋を創業して以来、旧安田財閥の中核であった安田保善社の第二会社として1950年に永楽不動産株式会社を設立。1970年に安田不動産株式会社に改称し、2025年に創立75周年を迎えた。地域に根差したまちづくりを推進する総合不動産デベロッパーとして、オフィス、住宅、商業施設をはじめとする多様な施設の開発から運営、管理に至るまで、多岐にわたる事業を展開している。
共存・共栄がコンセプト

今回の物件が所在する三田について、商品企画時にエリア特性を調査したところ、港区の山手線の内側という好立地で教育施設や緑地も多いことから、住宅としての需要が底堅いこと、空港や新幹線停車駅までの交通利便性が良いのに割安感があること、ベンチャー企業等のスタートアップ向けのスモールオフィス需要もあることが分かりました。
これらのエリア特性を踏まえ、「住む」と「働く」が交差して、共に成長・発展していく場所となることをコンセプトにして、SOHOのような複合型の建物で両方のニーズを満たす開発をしていくことになりました。
経営層からの面白いことをやろうに答えられるFreeiD

企画の検討を進める中で、経営層から面白いことをやろうという声が上がりました。商品企画には、「新しさ」、「使いやすさ」、「先進性」などが求められ、それらに合うのがFreeiDでした。
企画当初は、コロナ禍の後でもあったため、タッチレスブームによるノンタッチキーに代わるものとしての顔認証であることも評価ポイントでした。また、個人的な意見になってしまいますが、住居だと渡す鍵の数も多くなり、まだ使える鍵なのに入居者様の入れ替えで鍵交換をしないといけないのはSDGsの観点からも良くないなと感じていました。
FreeiDであれば、運用次第で鍵交換をしなくて済みますし、管理する側としても手間を省くことに繋がると思います。また、様々な設置場所に対し最適なデバイスを選択できる豊富なラインナップによって、オール顔認証を実現できる点も大きな特徴でした。
これらの商品の先進性に加えて、予約サービス導入の要望に対してもすぐに開発対応していただくなど、柔軟性の高さもFreeiDの魅力だと思います。
顔ダケで入館・入室できる「FreeiDマンションサービス」

FreeiDに登録すれば、エントランス、宅配ボックス、エレベーター、各住戸それぞれのオートロックを顔認証だけで開錠することができ、カバンから鍵を取り出すあの煩わしさから解放されます。
FreeiDの設置箇所と利用イメージ

「The glow Mita」は、流行のウルトラナノバブルを建物丸ごと導入している。法人登記も可能で、商談の際に会議室を利用可能。共用施設にワーキングラウンジを配備した住居とオフィスが複合した物件になっている。


エントランスに設置された顔認証端末。
化粧柱をたてることで端末に角度をつけることができ、歩いて認証できるような工夫をしている。


宅配/メールボックスは、フルタイムシステムと連動して端末を設置している。
意匠性を高めるために端末を壁に埋め込みながら、将来的なメンテナンスも考慮した設置をしている。
また、部屋番号が顔情報に紐づいているので、顔をかざすだけで荷物の受け取りができ、入居者の利便性を高めている。


住居用エレベーターは、エントランスのFreeiDと連動している。
エントランスで認証すると1階に着床する設定がされており、待ち時間なくスムーズにエレベーターに乗れる設定をしている。
また、端末に顔をかざさないと扉が開かない設定にしているので、セキュリティ性も高めている。


住戸扉とも連動しているため、顔認証で鍵の開閉が可能。ラインナップの中からデザイン性の高い端末を採用して、壁に埋め込むことで意匠性が高い設置をしている。

駐輪場の出入口に設置された顔認証端末。入居者以外が入れない区画にすることで、違法駐輪などをなくし、管理の手間を省きながらセキュリティ性を高めている。

非常用の出入り口に設置された顔認証端末。建物に入る扉のすべてに端末を設置することで、あらゆる区画をセキュリティ区画にでき、建物全体のセキュリティ性を高めることができる。


オフィス側のエントランスに設置された顔認証端末。

2階のエレベーターに設置された顔認証端末。
オフィス区画から住居区画に入居者以外がいけないよう、顔をかざさないとエレベーターのボタンが押せない設定にすることでセキュリティ性を高めている。

ミーティングルームに設置された顔認証端末。


ミーティングルームにはFreeiD Reserveが導入され、アプリから使用したい時間を指定して、部屋の予約が可能になっている。

ワーキングラウンジに設置された顔認証端末。
端末を設置することで、利用権限がない人が入退室できないセキュリティ区画にできる。
FreeiDの導入効果と将来の展望

まだ竣工して日が浅いので入居者の声を正確に得られていませんが、FreeiDがあることで確実に他物件と差別化できていると思います。
24時間365日のコールセンターやカスタマーサクセスの手厚い対応もあり、管理会社からのクレームなどもありません。今後、機械特有の不具合や劣化が確実に起きると思いますので、迅速に対応するサポート体制を維持してほしいです。また、当初設定していた賃料から10%ほど高くリーシングもできており、市況など複合的な要因もありますが半年程度でリースアップもできました。
将来的には、顔認証と機械警備を連動させることでセキュリティカードが不要なオフィスを実現したり、周辺施設のクーポン配布や災害時の本人確認を顔認証だけで出来るようになったら、さらにまちづくりへの活用が広がっていくと感じています。
FreeiDの未来での広がりに期待しています。
The glow Mita
所在地:東京都港区
設置個所:エントランス、宅配/メールボックス、エレベーター、各住戸扉、駐輪場、非常口、各オフィス扉、会議室
規模:鉄筋コンクリート造地上12階、住戸44戸、オフィス7区画
事業者:安田不動産株式会社
https://www.yasuda-re.co.jp/the-glow-mita/